【ブランディング】サロンのシーズナルを感じていただく
お客様が顧客となってくださる理由は、仕上がりや持ちの良さ、提案力や接客力などだけではありません。お客様が「サロン内で過ごす時間がいかに快適であるか」という点も大きく関係してきます。
お客様がお店選びをされる際には、施術写真だけでなく、サロン内の雰囲気が分かる写真もご覧になり、自分の好みと合っているかどうかの確認をされています。
サロンに来られるお客様は、同じような価値観の方が来られますから、市場価格より高い設定のサロンであれば、立地やインテリア、スタッフの接客力や容姿なども重要視するお客様が増えてきます。
スクール流併設サロン「アントス」の店名はギリシャ語で「花」という意味ですが、サロンオープン当時から今のようなお花の飾り方をしていたわけではありません。私中島はアントスをオープンさせるまで会社員でしたが、退職するまで有給休暇を取ったことがないくらいの激務をこなしていました。社会人になってからはお習い事などしたことがなく、お花の活け方も知りませんでした。
ですが、いつも欠かさず、見よう見まねでお花をサロン内で飾っていたら、お客様から反応がよく、よ過ぎて冷や汗をかくことも多くなり、これはきちんと習った方がいいなと思うようになったのです。アントスのお客様はお花の先生や習っている方もいらっしゃり、新しい価値観の提案などもできると考えたのです。
お花は100人いれば100人が違う活け方をします。ちょっとした投げ入れの時も、きちんとブーケで組んでいる時も、「どこでアレンジしてもらったお花か」と聞かれることが多く、「私が組んだものです」とお答えすると驚かれるのです。私とお花はそんなにリンクしないのかなと思ったりしますが、女性はお花が好きなのだと実感します。
アントスに飾られているお花を楽しみに来られる方が多いのに、さいたま市大宮にはアレンジができそうなお花が買えるお店は一軒しかないので、お花選びが大変なのです。ですから、アントス内にお花が飾られていないと、お客様から「今日はお花がない」と言われてしまうことがときどきあります(涙)。
私も、枝物や葉物などは必ず入れてほしいとお花屋さんにお願いしているのですが、いつもいつも入ってくるわけではないので、予約台帳を見ながら、「○○様が来られるからどうしようか」とお花好きのお客様を考えています。
お客様がサロンに来られる理由は多ければ多いほど、顧客様になっていただきやすくなります。メニューに関して言えば、「下まつげもあるから」、「まつげパーマもあるから」、「トリートメントがあるから」、「アイブロウメニューがあるから」など、まつげ美容液やクレンジング剤などの物販商品に関して言えば、「種類が豊富で、自分に合うものが選べるから」など。
そこに、インテリアのひとつとしてお花があると、それも選択肢に加えてくださるお客様も出てきます。サロンはずっと同じだと経営は成り立たちません。ですから、メニューなども常に進化させていかなければなりませんし、物販商品も入れ替えが随時必要です。
ですが、中には、いつも同じようなデザインや商品をお好みになる方もいらっしゃいます。そのような方に、サロンの変化や進化を感じ取っていただくためには、サロンのシーズナルそのものが分かるように、生花のアレンジはとても好都合なのです。
なぜならば、生花はいつか枯れてしまうからです。アントス内にアーティフィシャルやプリザを飾らないのは、ずっとそこに鎮座してしまうからです。1週間たてば必ずお花は変わりますから、常にサロンが動いている、変化していることがお客様に分かりやすく伝わります。
そう、サロンのシーズナルは新たな価値観の提示になりますし、他店との差別化にもなります。オーナーが毎日出勤するサロンにしかできないことなので、小さなサロン向けのブランディングのひとつになると言えるのではないでしょうか。
埼玉県さいたま市大宮駅東口徒歩2分 まつげエクステ&カールのスクール「アントス・インスティテュート」でした。