アイリストは何歳までできる?

「人生100年時代」と言われるようになりにつれて、多くなってきているのが、
「アイリストは何歳までできるのでしょうか」というお問合せです。
それに対しては「個人差はありますが、老眼も含めて、
60歳までは問題ないのではないでしょうか」とお答えしています。
ただし、美容学校を卒業したばかりの20歳と人たちと、
同じようなスピードで技術習得は難しいので、何倍もの努力をする覚悟が必要です。

40代からアイリストのキャリアは作れるのでしょうか

みなさま、こんにちは。まつげエクステ&カールのスクール「アントス・インスティテュート」校長の中島です。

私は大学を卒業して起業するまでの間、ずっと会社員でしたが、40歳を機に退職し、美容の道に進んだのは、60歳の定年後の生活に不安があったからです。
60歳で定年退職しても、そこから約3~40年くらい人生が残っています。
大学を卒業して働いてきた期間より長い人生がまだまだあり、年金だけで食べていけるのだろうかとか、何を生き甲斐にして生きていくのかなどの不安が大きくて、私は思い切って起業しました。
30代になると将来に漠然とした不安を感じるようになり、40歳に手が届こうとしている時期には、「50歳だと遅いし、やっぱり40歳だろう」と思うようになりました。
私と同じようなことを、現在美容師をされていたり、美容以外の仕事をしつつ、美容師免許が活かせないかと思案中だったり、今から美容師免許を取りに行こうかと迷われている方は考えているのではないでしょうか。
中には、子育てで第一線から離れてしまったけど、キャリアの再構築をしていきたいと考えている方もいらっしゃいますよね。
「アイリストという仕事は今からでもできるでしょうか」というご相談を受けることが少なからずあります。
私は今年53歳になりますが、「老眼も含めて、問題ないですよ」と答えています。
ただし、美容学校を卒業したばかりの20歳と人たちと、同じようなスピードで技術習得は難しいので、何倍もの努力をする覚悟が必要です。
一生懸命ではなく、必死でやらないとできるようにはなりません。
そう、必死というその言葉通りで、できなければ死んでしまうくらいの覚悟がないと無理です。
「私にもできるかしら」という不安がある段階で、無理かもしれません。
美容技術は常に進化していきますから、それに追いついていく習熟度スピードは常に要求され続けます。
その努力はしたくない(できないのではなく、やりたくないだけ)のでしたら、止めておいた方が無難です。
家族も巻き込みますし、ムダなお金と時間をつかってしまい、人生設計も狂ってきますから。
さらに、40代からアイリストを目指すには、就職できるのかどうかという問題もあります。
10年前のマツエクバブル期のように、1DAYスクールでさらっと習って、すぐに起業して、サロンが起動に乗るというような時代ではありません。
成熟し切った市場に後発で参入するからには、勝てる算段がないと、これまたムダなお金と時間を費やし、家族に負担をかけてしまうだけになってしまいます。
まつげエクステスクールを出て、サロンに勤務せずにすぐに出店するというのは、今の時代は無謀とも言っていいかもしれません。
未経験の方は、スクールを出ていきなり開業ではなく、サロンに就職をして、経験を積むことをお勧めいたします。
ですが、その際に、明らかに40代のような外見では、まず採用されるのは難しいでしょう。
もしかしたら、まつげエクステの技能を持った経験者でも、明らかに40代の外見では、就職は難しいかもしれません。
実年齢が40代であったとしても、「体力や気力、外見上が30代であれば全く問題ありません」と言ってくれるサロンは必ずあります。
美容を生業とするからには、たとえどんな状況であったとしても、自分自身を身綺麗にすることができなければ、お客様を綺麗にしていくことはできないからです。
お客様は言ってはくださいませんが、担当者の外見でその人の美意識を判断しています。
自分自身を愛しみ、大切にできない人が、お客様が大切にしていることを瞬時に見抜き、一緒に大切にしていくことができるのでしょうか。
技術習得をすることに貪欲であり、お客様のことを第一に考えられることはもちろんですが、常に美と一緒に生きていくことが当たり前になっている人は、40代どころか50代でも問題ないのではないでしょうか。
このような人材に出会えば、私なら採用します。
また、40代の強みは、若い人に比べると、人生経験が豊富な分、自己管理ができていることです。
もちろん、個人差はありますが、誰からも応援されなくても、励まされなくても、昨日も、今日も、もしかしたら明日もうまくいかないかもしれなくても、「今日やるべきことをやりきっていけば、必ずできるようになる」と辛抱できることじゃないでしょうか。
キャリアが作れるかどうかではなく、毎日やるべきことをコツコツやった結果、キャリアと呼べるような実績が積み上がっていくのです。
40代からアイリストを目指すことが遅すぎるなんてことは決してありません。

Point

  • 40代は20歳と人たちと同じようなスピードでの技術習得は難しいので、何倍もの努力をする覚悟が必要である。
  • 40代でアイリストとして就職活動をする場合、採用してもらえるだけの技術力、精神力、体力、外見上の魅力を準備する。
  • 実年齢が重要なのではなく、何歳の体力と気力、知力、外見を持っているかが重要である。
  • できるかどうかではなく、やりきったかどうかの連続で、キャリアと呼べるような実績が積み上がる。
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アイリストは何歳までできる?

アイリストは、他の美容施術に比べて、体力的に非常に楽です。
ずっと座って、暑さや寒さに関係なく、仕事ができるので、こんな楽で、楽しい仕事はないと私は思っています。
美容師でしたら、ずっと立ちっぱなしですし、床から這い上がる冷えと戦わなければならなかったり、エステティシャンであれば汗だくになることもあるでしょう。
これらに比べたら、アイリストは常にほぼ一定の環境の中で仕事ができます。
ですが、もしアイリストの寿命を決めるとしたら、それは「老眼の問題」でしょうか。

老眼が始まる年齢は個人差が大きく、30代~60代と言われています。
「30代?」と思われるかもしれませんが、生徒さんやスタッフの中には、30代前半で老眼鏡をかけなければ、まつげエクステを装着ができない人が年々増えていると感じています。
私は40歳でこの道に入りましたが、入校したまつげエクステスクールの初日に、自分が老眼だということに気付きました。
日常生活では、当たり前のように小さな文字が暗がりでも読めましたので、まさか自分が老眼だなんて思ってもみませんでした。
まつげエクステの仕事をしなければ、気づかない程度の老眼なのでしょう。
まつげエクステはお米に顔を描くような繊細な仕事ですから、老眼問題は避けて通れません。
ですが、それさえクリアできれば、一般的な仕事と同じように60歳までは仕事にできると思います。
事実、私は50代ですが、毎日、大好きな施術に入っています。
40歳まで勤めた会社を退職し、サロンをオープンさせた後に、ある日突然、美容師免許が必要な世の中に変わり、後から美容師免許を取ることになったので、そうやすやすとこの仕事を辞めるわけにはいきません。
老眼が進行しないように、食べ物をはじめとする生活の質に気をつけて、60歳までは大好きなアイリストの仕事を続けていきたいと思っています。
その他、老眼問題以外で、アイリストの仕事が続けられなくなる可能性があるとしたら、サロンのお客様層と自分自身の年齢が合わなくなってくる点でしょうか。
多くのまつげサロンのお客様の年齢層はいわゆるF1層(20歳~34歳)です。
アイリストの年齢も20代が多く、自分自身の年齢が30歳に近づいていくと、もっと大人のサロンへの転職を考え始めたり、アイリストそのものを続けていくかを考え始める方もいるでしょう。
「アイリストは30歳で定年だから」などと言う人もいます。
回転率重視系のまつげエクステサロンは、20代前半の頃に勤めるにはいいかもしれませんが、朝から晩まで7~8人のお客様を常に取ることに疑問を感じるようになったり、もっとデザインや技術力などを磨いていきたいと考えるようになったり、ひとりのお客様にじっくり向き合うような仕事がしたいと思うようになるのは自然な流れです。
また、周りのスタッフやお客様を見渡しても、40代以上の人が少ないと、自分自身の将来を重ね合わせることが難しいのも当然でしょう。
私も会社員時代は、自分より年上の女性管理職を見て、「あそこまでは行けるんだ」と思っていました。
もしも、自分の周りが若い女性だけで、管理職は男性だらけなら、管理職を目指そうなんて思わなかったでしょう。
男性の中に混じって、企業戦士と言われるくらい仕事一筋だった私ですら、そのような状態ですから、女性ばかりのアイリストだと、自分だけが年を取っていると感じるのは辛いかもしれません。
かと言って、みんなが独立開業を目指すタイプでもありませんよね。
純粋に、アイリストの仕事が大好きで、お客様を綺麗にすることが生きがいというタイプでしたら、長く働けそうなサロンに転職するのも幸せな生き方の選択です。
ですが、さすがに40歳過ぎての就職は難しいのが現実です。
もちろん、可能性が全くないわけではありません。
容姿が30歳代前半くらいに見えれば問題ありませんし、老眼も進行しないよう、常に食事や睡眠などをはじめとする日常生活を自制するようにすればいいですよね。
ですが、今のまつげエクステ業界は、未経験者が積極的に採用されるのは20代前半の話です。
40代はたとえ容姿が若々しくても、経験者でも就職が厳しいですから、技術力も、上まつげのシングルづけだけができればいいというものではありません。
下まつげやボリュームラッシュ、リフトアップ系、まつげパーマなど、多彩なスキルを持っていないと、面接までいけない可能性は大きいでしょう。
20代前半と40代の応募者が来たら、多くの経営者は迷わず20代前半の方を採用するのが現状です。
では、20代前半の未経験者と40代経験者だったら、どうでしょうか。
その場合は、中身を見てもらえる可能性は高いと思います。
履歴書に貼られた写真を食い入るように見られ、自店で働くにふさわしい外見かどうかを判断され、経歴やできる施術内容などをチェックされ、面接するかどうかが決められます。
自分自身とサロン(お客様層が30代~50代が中心)とのマッチングがうまくいけば採用され、長く勤められる可能性は大きいでしょう。
40代になると、「美容師免許を活かしたい」と思っても、まつげエクステの技能が未経験だったり、小さな子供がいたり、外見上の問題で不採用になるのは否めません。
履歴書に経験者と記載ができるような技能を身に着けてから、就職活動を始めましょう。

Point

  • アイリストの寿命を決めるとしたら、それは「老眼の問題」である。
  • アイリストの仕事が続けられなくなるのは、サロンのお客様層と自分自身の年齢が合わなくなってくるから。
  • 40代の就職は一般的には難しいが、アイリストとしての技能を身に着け、自分自身とサロンとのマッチングがうまくいけば採用され、長く勤められる可能性はある。
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